かつての音楽のあり方から振り返る平成ドラマ文化

音楽(歌謡曲)・文化

平成のドラマを振り返るときに、外せないのが「音楽」の存在です。
特に平成のはじめから中ごろまでは歌謡曲番組がたくさんあり、ドラマと主題歌が一緒に盛り上がっていた時代。当時のドラマに音楽はどう影響していたのか。あらためて振り返ってみたいと思います。

人気音楽番組とドラマ主題歌の関係

平成時代は「CDTV」や「HEY!HEY!HEY!」、「うたばん」など音楽番組が週にいくつも放送されており、私もどの番組も毎週欠かさず楽しみに観ていました。(番組によってそれぞれ特徴があって、楽しみ方も違ったのです!)
人気のアーティストはもちろん、話題の新人までが出演して新曲をテレビで披露するのが当たり前の時代。しかも当時は生歌も多く、その瞬間ならではの歌声も楽しめましたよね。
ドラマの主題歌が歌われると、翌日には学校で「昨日の〇〇観た!? かっこよかったよね~」と話題になる。そして翌週のドラマの続きがますます気になってしまう…!
音楽番組はただの宣伝の場ではなく、ドラマへの期待を高める場にもなっていたんです。

主演俳優が主題歌を担当

今でも時々ありますが、当時ドラマの出演俳優が主題歌を担当することもありました。
たとえば反町隆史さんは、『GTO』(1998年)にて「POISON 〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜」を、『ビーチボーイズ』(1997年)では「Forever」を担当。
また、中谷美紀さんは『ケイゾク』(1999年・TBS)にて「クロニック・ラヴ」を担当し、当時のドラマを盛り上げました。
ドラマと音楽の世界を一緒に体験できるような感覚になり、よりいっそうドラマの印象が強くなった記憶があります!

ドラマと音楽の相乗効果

かつてドラマと音楽の結びつきはとても強く、主題歌はストーリーに合わせて作られることも多くありました。
当時は「タイアップ」という言葉がよく使われていて、主題歌がまさにドラマの顔。
恋愛ドラマなら切ないバラード、青春ドラマなら爽やかなポップスといった感じで、曲そのものが作品の一部になっていました。
物語の大事な場面で主題歌が流れると、そのシーンの感情と曲が重なってまた心に残るんですよね…!

また、主題歌が先にヒットしてドラマの人気を押し上げることもあれば、逆にドラマの話題性がアーティストをブレイクさせることもありました。
たとえば『若者のすべて』(1994年)に採用されたMr.Childrenの「Tomorrow never knows」、『バージンロード』(1997年)に採用された安室奈美恵さんの「CAN YOU CELEBRATE?」は、ともにダブルミリオンを達成。
どちらの曲も、平成を生きた方なら一度は耳にしたことがあるのでは。
とくに「CAN YOU CELEBRATE?」はのちに結婚式の定番ソングとしても認知され、多くの世代に感動をもたらす作品となりました。

では令和はどうなった?

令和になると音楽をとりまく状況は大きく変わりました。
今は歌番組自体が少なくなり、音楽が広まるのはSNSや配信サービスが中心傾向。
ドラマの主題歌もテレビよりストリーミングの再生回数を意識して選ばれる傾向があります。
もちろん今の時代も、聴きたいときにすぐ聴けるなどの良さはあるものの、あの頃のように「テレビから熱気が生まれる」雰囲気は薄れてきているかもしれませんね。

平成ドラマ文化の特別さ

だからこそ、平成を振り返るとあの時代は本当に貴重で特別な時代だったと感じます!
歌番組で初めて聴いたフルの主題歌。ドラマのクライマックスで流れたメロディ。どちらもセットになって記憶に残っている人は多いはず!
平成ドラマとは切っても切り離せない、音楽・歌謡曲番組の存在。
こんな時代だからこそ、少しタイムスリップしてかつてのドラマや主題歌をじっくり味わってみてはいかがでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました