平成ドラマの背景と魅力

平成ドラマ年表・時代背景

平成時代はテレビドラマ史の黄金期ともいわれています。
人気を博したトレンディドラマをはじめ、その後も恋愛・青春・家族などジャンルごとに数々の名作が誕生。
社会現象となる作品が数多く生まれた活気ある時代でした。
この記事では、平成ドラマの魅力を時代背景とともに振り返ります。

平成前半:トレンディドラマの黄金時代

< 時代背景とその魅力 >
1980年代後半から1990年代前半にかけて、日本はまさにバブル景気。
海外旅行などを楽しむ若者たちも多く、トレンディドラマはこうした若者たちの都会的なライフスタイル、自由な恋愛、ファッションなどを華やかに描くことで憧れや共感を呼び、社会現象を巻き起こす作品も生まれました。

< 代表作品 >
『愛していると言ってくれ』(1995年・TBS)
聴覚障害を持つ画家・榊晃次(豊川悦司)と女優を目指す水野紘子(常盤貴子)が紡ぐ純愛ラブストーリー。
晃次に惹かれる健気で純粋な紘子を思わず応援したくなる。スマホがない時代だからこそのすれ違いも、この時代ならではのスパイスですよね。

『ラブジェネレーション』(1997年・フジテレビ)
広告代理店勤務の腰掛けOL上杉理子(松たか子)と、同じ会社の営業マン片桐哲平(木村拓哉)の王道ラブストーリー。
お台場、渋谷、青山などお洒落な都会の風景とともに描かれた物語に、都会でのキラキラした恋愛を夢見た人も多かったはず!

平成初期の時代背景やトレンドをまとめた記事は こちら

平成中盤:多様化とヒューマンドラマの深化

< 時代背景とその魅力 >
インターネットや携帯電話の普及が進んだ時代。
若者の価値観やライフスタイルも多様化し、ドラマにも恋愛だけでなく友情や家族愛、社会派テーマが描かれるようになりました。
視聴者が共感できるリアルな人間模様が増え、ドラマの幅が広がった時期です。

< 代表作品 >
『GOOD LUCK!!』(2003年・TBS)
新米パイロットの新海元(木村拓哉)が恋愛・仕事に悩みながらも、機長になることを夢みて奮闘する成長ドラマ。
元の父親(いかりや長介)の不器用さ、機長の香田一樹(堤真一)のふと見せる弱い一面、整備士の緒川歩実(柴咲コウ)の過去のトラウマなどそれぞれの登場人物の心の揺れ動きも丁寧に描かれ、物語に厚みを生み出しています。

『オレンジデイズ』(2004年・TBS)
柴咲コウ演じる聴覚障害のヒロイン・沙絵と、妻夫木聡演じる大学生・櫂との恋愛を中心に、友人たちとの青春を瑞々しく描いた青春群像劇。
聴覚障害をもつ沙絵(柴咲コウ)に対する世間の厳しさと仲間からのやさしいまなざしとが同時に描かれており、社会をあり方を考えさせられる場面もあります。

平成中期の時代背景やトレンドをまとめた記事は こちら

平成後半:SNS時代と新たな恋愛のかたち

< 時代背景とその魅力 >
スマートフォンが急速に普及し、コミュニケーションのあり方がガラリと変わった時期。
SNS文化が広まり、いかに拡散されるかがドラマ人気に直結するようになります。
結婚や恋人関係の価値観も分散し、これまでの概念に一石を投じるような多様な恋愛のかたちが描かれるようになりました。

< 代表作品 >
『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年・TBS)
派遣切りにあった彼氏ナシの森山みくり(新垣結衣)と会社員の津崎平匡(星野源)との契約結婚から始まる社会派ラブコメディ。
エンディングに合わせて出演者たちが踊った「恋ダンス」はSNSでの拡散もあり話題沸騰。ドラマは社会現象を巻き起こすほどの人気ぶりでした。
笑える場面、考えさせられる場面、キュンとする場面…とさまざまな側面を楽しめます。

『おっさんずラブ』(2016年・テレビ朝日)
ダメ男サラリーマンの春田創一(田中圭)と同じ会社の上司・黒澤武蔵(吉田鋼太郎)が織りなす男同士の純愛ラブストーリー。
SNSでの積極的なプロモーションも功を奏し、ドラマは深夜枠にもかかわらず大ヒット。それまでどこか閉鎖的だったBLを明るくポップに描き上げました。
映画化や海外リメイクもされ、世に大きく羽ばたいた作品です。

平成ドラマの共通の魅力

< 音楽と主題歌の力(CDヒットと連動 >
平成時代は、CDセールスとドラマ人気が相互に影響し合う構図が特徴的でした。
主題歌がヒットすることで話題が広がり、ドラマとセットで記憶され印象も強く残ります。
ドラマが良いと、主題歌がヒットする。主題歌がヒットすると人気ドラマになる。そんな時代でした。

< 丁寧に描かれる心情や人間関係 >
平成ドラマは、人間関係・人物の成長などさまざまなことが丁寧に描かれています。
登場人物の心の内を丁寧にすくい上げ、その表情やセリフの間で余白を残した演出が多い印象です。
視聴者側もその雰囲気にふと考えさせられたり、ほろっとしたり…。
こうして、よりいっそうドラマの世界にぐっと引き込まれる体験ができるのです。

今観ても色あせない! 平成ドラマ

令和になった今だからこそ、胸が熱くなる人間ドラマやゆったりとした恋愛模様に触れられる平成ドラマは、せわしない日常をほんの一瞬忘れられるような存在。
また、当時の音楽やファッション、台詞回しも懐かしさとともに楽しめます。
現在は視聴方法も多様で、動画配信サービスでまとめて見られるものや、DVDでコレクション可能な作品もあります。
昔の名作を振り返りながら、気軽に平成ドラマの世界に浸ってみませんか。

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