2000年に放送されたTBS系ドラマ『オヤジぃ。』は、家族の絆、温かさを描いたハートフルなホームドラマ。
主演の田村正和さん演じるガンコおやじとその家族のにぎやかな日常を描き、“笑って泣ける”と当時多くの視聴者の心を掴みました。
今回は、『オヤジぃ。』の見どころや印象的なシーン、私が観て感じた感動を振り返りながら紹介していきます。
『オヤジぃ。』ってどんなドラマ?
曲がったことが嫌いな偏屈開業医・完一が主人公。
何かにつけて首を突っ込む完一に日々辟易する家族たちですが、ある日、次女のすず(広末涼子)が交際間もない彼氏と結婚すると言い出したことから、家族の騒動が始まります。
コメディタッチで描かれる場面も多いですが、それぞれの回のラストにはほろりと泣けるシーンがあり、私はほぼどの回でも感動させられました。
一般的なサラリーマン物語ではなく「家族と向き合う父親の姿」を丁寧に描いたことで、多くの視聴者の共感を呼び、当時平均視聴率は20%越えをキープ!
それぐらい当時人気な作品でした。
豪華キャストと脇役陣
『オヤジぃ。』は主演の田村正和さんを中心に、豪華なキャストが揃っていました。
・神崎 完一(田村正和)
曲がったことが嫌いな開業医。家族を怒鳴ってしまうこともあるが、誰よりも家族を思っている。
・神崎 美矢子(黒木瞳)
完一の妻。完一と子供たちをやさしく見守る。自分の意思を押し殺しがちな面もある。
・神崎 正(岡田准一)
予備校生。家業を継ぐよう期待されているが、本当は別の道へ進みたいと思っており将来模索中。
・神崎 小百合(水野美紀)
小学校教師の長女。しっかり者がゆえに、家族から何かと頼りにされがち。
・神崎 すず(広末涼子)
短大生の次女。羽目を外してしまいがちなトラブルメーカー。
この5人に加え、脇役陣には石田ゆり子さん、矢沢心さんなどが出演。
中でもコギャル・すみか(演:矢沢心)は、どこか自己中心的な言動でまわりをかき回しがち。
だけど、正に対して「自分の人生なんだから、やりたいようにやればいい。」と言ったり、妻・美也子がいなくなった時には家族に協力したりと、なにかと物語を動かす役割を果たす。(物語の意外なキーパーソン!?)
また、完一の浮気ゴコロをくすぐるホステス・真知子(演:石田ゆり子)もイイ味だしてますね。
主題歌は花・花「さよなら大好きな人」
『オヤジぃ。』の主題歌といえば、花・花の名曲「さよなら大好きな人」。
あのピアノイントロで一気にドラマの世界観がよみがえる方も多いのではないでしょうか。
しかも、毎回物語の本っ当にイイところでイントロが流れ始めるので感動しちゃいますね。
ドラマのもつほっこりとした雰囲気に、人を大切に思う曲の温かさがうまくマッチしている。
まだ聴いたことがないかたは、ぜひ視聴してみてくださいね。
私的に心に残るシーン
<第4回>
ある日、家族から何かと頼りにされっぱなしな状況にうんざりした小百合は、家を飛び出します。
家族との別れ際、
「いい子でいることに疲れた。私は兄弟の失敗を心では嘲笑っていた。いい姉でもなく、親孝行でもない。」と泣きながら告げ、雨の中を一人出ていきます。
これまでひた隠しにしてきた本心を打ち明ける小百合は、身近な家族だからこそ言いづらかったであろうなと思い、その気持ちを思うと心苦しく胸が痛みました。
雨の中を一人歩く後ろ姿に、強い意志と切なさが漂っていて印象に残る描写でしたね。
<第7回>
ある日、小百合の勤務する学校でとあることが起こり、小百合は仕事をやめさせられることになります。
学校に集まった神崎家。そして完一は教師に一言物申しますが、小百合自身も退職願を提出していたことが判明。
小百合は家族の前で教壇に立ち、自身の思いのたけを語る最後の授業参観をすることに。
「人生で道を外しそうになった時に、たしかな自分の答えを出せる人になってほしい。
私の父はそういう人。その父を選んだ母や、生まれた妹・弟と家族になれて幸せ。
これからは妹・弟の二人に助けてもらいながら生きていきたい」と涙ながらに家族に語り掛けます。
「さよなら大好きな人」がバックに流れながらの長セリフシーンなのですが
自然だけど一気に引き込まれるような水野さんの演技、セリフ、BGM、すべてがかけ合わさってもう感動モノ。私的このドラマのなかでも一番泣けるシーン!
このシーンの後、“水野さん、すご…”と、しばらくぼんやりしてしまいました。(笑)
平成ドラマならではの魅力
2000年代のホームドラマは、家族の日常や季節感を大切に描くのが特徴でした。
『オヤジぃ。』も、日常生活の細かい描写や家族の成長を丁寧に描いており、当時のリアルな空気感をそのまま伝えていたからこそ、視聴者が自分の家庭や思い出と重ねやすかったと感じられます。
ことあるごとに美矢子ママが家族に言う「お腹すかない?」からの食事シーン。
このドラマのお決まりだったのですが、これ好きでしたね。
ちょっといざこざが起こった時でも、みんなでご飯食べよっかと、なんだか温かい気持ちになれる。
こういう描写って平成ならではかなと思いました。
平成ドラマって、家族団らんの食卓で日々の出来事をみんなで語る、みたいなシーンが令和に比べて多かったですよね。
ここがおすすめポイント!
・父親視点で描かれる家族ドラマ
・田村正和・黒木瞳・広末涼子・水野美紀などキャスト陣の熱演
・心に響く感動的なシーン
・平成ならではの家族の温かさや日常感あふれる演出
平成のハートフル・ホームドラマの名作『オヤジぃ。』
家族といると、にぎやかな時もしんみりする時もあるけれど、それがリアルな家族の形。
その中でも自分なりの幸せ、家族としての幸せを見つけていくことが大切なのではないか、と
ドラマを大人になって見返してみると、そんなことを教えられた気がします。
『オヤジぃ。』は、平成ドラマの中でも「家族」「日常」などの普遍的なテーマを丁寧に描いた貴重な名作。
まだ観ていない方はぜひ視聴して、その温かな雰囲気に浸ってみてはいかがでしょうか。
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