社会現象を起こした平成の名作ドラマ『神様、もう少しだけ』|主題歌・キャスト・ワンシーンを振り返る(感想付き)

作品別レビュー

1998年にフジテレビで放送された『神様、もう少しだけ』。
HIVという重いテーマを扱いながらも、人を愛する気持ちや命の尊さを丁寧に描いたこのドラマは、当時大きな社会現象となりました。
主演の金城武さんと深田恭子さんの組み合わせも話題になり、放送から20年以上経った今でも強く記憶に残っている人が多い名作です。

今回は、この作品の魅力やキャストなどを振り返りつつ、私が心に残ったシーンも交えて紹介していきます。

『神様、もう少しだけ』ってどんなドラマ?

ある日、お金欲しさに援助交際に手を出した女子高生の叶野真生(深田恭子)。
後日、HIVに感染したことが判明し、突然「死」と向き合うことになった真生は絶望の淵に立たされますが、音楽プロデューサー・石川啓吾と恋に落ちていくことで、少しずつ生きる希望を取り戻していく…。

恋愛ドラマでありながらも、命・家族・友情といったテーマも色濃く描かれており、ただの恋愛ものにとどまらずストーリーの奥行きを感じられる作品です。

豪華キャストとキャラクター紹介

『神様、もう少しだけ』はデビュー間もない深田恭子をヒロイン役に起用するなど、そのキャスト陣も話題になりました。

・石川啓吾(金城武
 人気音楽プロデューサー。クールで孤高な雰囲気を漂わせながらも、真生と出会い次第に心開いていく。

・叶野真生(深田恭子
 高校生。ふとした過ちからHIVに感染し、孤独に苦しみながらも啓吾との出会いで生きる意味を見出す。

・日比野 イサム(加藤晴彦
 真生の友達。真生がHIVに感染する前から体の関係を持っていた。HIV感染した真生を精神的に支える。

・織田 麻美(矢沢心
 真生の親友であり、放課後によく遊ぶ仲。真生がHIV感染後は周りの目を気にして、真生と距離を置くようになる。

主題歌はLUNA SEA「I for You」

主題歌はLUNA SEAの「I for You」。
「痛みを拭う」「怖がりのきみ」などの歌詞が、ストーリーに漂う切なさとマッチして物語を印象付けますよね。

私的に心に残るシーン

『神様、もう少しだけ』は愛情、家族、生命…いろんなこと考えさせられる場面が多くありましたが、中でも印象に残っているシーンを3つ紹介します。

<第5話>
真生は援助交際からHIVに感染したことを母親に告白します。
そんな娘を許せる?と、泣きそうになりながら聞く真生に対して母は、
「そんなことで感染して悔しいでしょ…。お母さんも同じ気持ち。なんだったらお母さんの方が悔しいわ…。」と告げ、泣きながら二人抱き合うシーン。
母の娘を思う気持ちが溢れており、その姿に感動…!
このことを転機に、真生は不登校だった学校へも行くようになりました。
強い孤独感に苛まれていた真生にとっては、“自分を受け入れてもらうこと”がなにより大切だったのですよね。

<第6話>
真生は、HIV感染したことを隠して生きることは、自分の存在価値がなくなるのではないかと感じはじめ、学校生徒の前でHIV感染を告白。
「HIV感染したことは大事な出来事だったと思っている。…日々のひとつひとつの出来事が生きてることを実感する。みんなにも生きてることの素敵さに気づいてほしい」と真生は涙ながらに訴える。

このシーンは真生の決意と苦しみが伝わってくるようでした。
たしかに、病気になったとしてもそれでも一生懸命生きているのだと周りに伝えることで、より精神的に強くなれる部分ってあるのかもしれません。
そんなことを考えさせられました。

<第11話>※ここから結末に触れます
真生はエイズの病状が進んでいるものの、啓吾との子供を産み、無事結婚式を挙げます。
式の当日、真生は誰もいないチャペルでベビーベッドから落ちそうになったわが子を間一髪で救い出します。
真生を探していた啓吾はチャペルで真生を見つけます。しかし次のカットでは、目を覚まさない真生を静かに抱きかかえる啓吾の姿があったのでした。

ラストで一瞬、「えっ…?」と思ってしまったのは正直なところですが。
でもよく考えてみると、真生自身の、“自分よりわが子を全力で守り抜く”という強い気持ちがあったからこそ、衝撃的かつある意味とても美しいラストシーンへ繋がったのだと思います。
(“印象に残す”という意味では、とてもアリな演出だったのかも。)

『神様、もう少しだけ』のここがおすすめ!

・HIVをテーマにした衝撃的なストーリー展開
・恋愛だけでなく、家族、友情、命の尊さなどを考えさせられる
・金城武×深田恭子という異例のキャスティング

平成を代表する社会派恋愛ドラマ

『神様、もう少しだけ』は、ただの恋愛ドラマではなく、「命の大切さ」「人を愛することの意味」を問いかける作品でした。
放送当時の衝撃を知っている世代はもちろん、今の若い世代が見ても新鮮に感じられると思います。
そして深田恭子さんの、涙涙の体当たり演技も等身大の高校生らしさが出ていて見どころです。

20年以上経った今でも見返してみると、心揺さぶられるシーンがたくさん!
まだ観たことがない方は、ぜひ平成ドラマの名作に触れてみてくださいね。

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